『狂気』ピンク・フロイド

PINK FLOYD
DAVID GILMOUR – guitars, vocals & vcs3
ROGER WATERS – base guitar, vocals, tape effects & vcs3
NICK MASON – percussion & tape effects
RICHARD WRIGHT – keyboards, vocals & vcs3
『The Dark Side Of The Moon』
1. (a) SPEAK TO ME (b) BREATHE IN THE AIR
2. ON THE RUN
3. TIME
4. THE GREAT GIG IN THE SKY
5. MONEY
6. US AND THEM
7. ANY COLOUR YOU LIKE
8. BRAIN DAMAGE
9. ECLIPSE
1973年の発表以来、いまだに売れ続けて既に5千万枚を超えるセールスを記録しているモンスター・アルバムがプログレッシブロックの雄、ピンク・フロイドの「狂気」です。
いったい何が起こるのかと困惑させながらも期待させてくれるオープニング。続いて不穏な叫び声から一気に彼らの音楽世界に引き込まれる1曲目に始まって、デイヴ・ギルモアの空を駆け巡るようなギターが爽快な「タイム」。
静かに、そして激しく響くスキャットが聴くものを惹きつける「ザ・グレート・ギグ・イン・ザ・スカイ」。一転してポップな「マネー」から気分良くリラックスさせておいてドラマチックに盛り上げる「アス・アンド・ゼム」へと続く中盤が圧巻です。
プログレッシブ・ロックというのは想像力が刺激されるのが良いところですが、スケールの大きさで最大限に想像力をかきたててくれるこのアルバムは、できれば夜中に、ひとりで酒でも飲みながらボリュームを上げて聴きたいところです。
最後の「エクリプス」が終わると、満足感いっぱいの溜息をついて眠りにつけるでしょう。 内容はもちろん、ヒプノシスによるプリズムをモチーフにしたジャケットデザイン、絶妙にはまっている日本盤のタイトル、どれをとっても世紀を超えて語り継がれるにふさわしい名盤です。
『Houses of the Holy』Led Zeppelin

前作IVの大成功で余裕が出来たのか、幅広い音楽性を見せてやりたいことを好きにやったのが、この『聖なる館』です。収録曲はドキュメンタリー映画のタイトルにもなった「永遠の詩」、変則チューニングのアコースティック・ギターが美しい「レイン・ソング」、「ノー・クォーター」など。色使いが鮮烈なジャケットはヒプノシスです。
『Queen』Queen

クイーンの記念すべきデビュー・アルバム。高校生の時にラジオから流れてきた「ライアー」にノックアウトされてしまいました。イントロのロジャー・テイラーのドラムは若干もたつき気味でしたが、ブライアン・メイのギターのカッコいいこと。当時も今もフレディ・マーキュリーのボーカルより、あのレッドスペシャルの音のほうがお気に入りです。
『The Captain and Me』The Doobie Brothers

トム・ジョンストンのボーカルが堪能出来る「ロング・トレイン・ランニン」と「チャイナ・グローブ」というドゥービーの代表曲を収録したヒット作。本作よりギターのジェフ・バクスターが参加しました。男っぽいボーカルとツインドラムが支える豪快かつ爽快、気持ちの良いアメリカン・ロックが楽しめます。
『DON’T SHOOT ME I’M ONLY THE PIANO PLAYER』ELTON JOHN

『ピアニストを撃つな』というタイトルはトリュフォーの映画『ピアニストを撃て』のパロディーだそうです。2019年の映画『ロケットマン』の中でライブ前に緊張していたエルトン・ジョンが開き直って「クロコダイル・ロック」を歌うシーンは痛快でした。他にゆったりとした名曲「ダニエル」など収録。
『DESPERADO』EAGLES

カバーも多い名曲「デスペラード」収録。アルバムの邦題『ならず者』に扮したメンバーの中にはバンドを去る事になるバーニー・リードン、ジャケットの裏側にはイーグルスの盟友J.D.サウザーの姿もあります。「テキーラ・サンライズ」や「ドゥーリン・ダルトン」も胸に沁みるいい曲です。ウエストコースト・ロックの象徴のようなバンドの傑作。
『Band on the Run』PAUL McCARTNEY AND WINGS

ポール・マッカートニー&ウィングスの快作。タイトル曲は凝った構成で、オープニングから12弦ギターが心地良く鳴り響く中盤へ、そしてサビのパートへと流れていくところが最高です。ヒプノシスが手掛けた俳優のジェームズ・コバーンやクリストファー・リーが登場するジャケットも遊び心があっていいですね。
『BECK BOGERT & APPICE』Beck Bogert & Appice

ジェフ・ベックがリズム隊の腕利きコンビ、ティム・ボガートとカーマイン・アピスと組んで最強ロックトリオを結成。緊張感のある「レディ」と「スーパースティション」のたまらないカッコ良さ。本当にあっという間に終わってしまうような感覚で、スタジオアルバムがこれ1枚なのが残念。ライブ・イン・ジャパンも素晴らしいです。
『Goats Head Soup』The Rolling Stones

ミック・ジャガーが不気味に浮かび上がる、インパクトのあるジャケット。『山羊の頭のスープ』というアルバムタイトルからは想像も付かないアコースティックなナンバー「悲しみのアンジー」がヒットしました。バラエティに富んだ地味でも派手でもない不思議な魅力のあるアルバムです。
『We’re An American Band』GRAND FUNK

カウベルを叩くイントロが始まっただけで気分が盛り上がる最高のロックナンバー、「アメリカン・バンド」が収録されたグランド・ファンク7枚目のアルバム。おかげであとの曲が記憶に残らないくらいインパクトがありましたが、アルバムを改めて聴いてみると3人のパワーが感じられる充実ぶりです。
1973年(昭和48年)の日本
主な出来事:当時は何も知らない高校生で経済に無関心だったせいか、この年のオイルショックについてはまったく記憶にありません。ベストセラーになった「ノストラダムスの大予言」は冷めた目で見ていて、本当に信じる奴はいるのか?などと思っていました。日本赤軍とパレスチナ解放人民戦線によるドバイ日航機ハイジャック事件や、後に映画化もされた驚愕の金大中拉致事件が起きたのも73年です。
テレビ・映画:国民的アニメの「ドラえもん」が放送開始、視聴者参加型バラエティ「パンチDEデート」も人気でした。映画はポール・マッカートニー&ウイングスの主題歌がヒットした『007/死ぬのは奴らだ 』、スティーブ・マックイーンがカッコ良かった『ゲッタウェイ』、深作欣二が監督した群像劇の傑作『仁義なき戦い』も公開。ダルトン・トランボの『ジョニーは戦場へ行った』は衝撃的な内容でした。
ヒット曲:沢田研二が初のオリコン1位を獲得した「危険なふたり」、日本のポップ・ロック史に大きな足跡を残したチューリップの「心の旅」、矢沢永吉が在籍していたキャロルの「ファンキー・モンキー・ベイビー」などがヒット。“四畳半フォーク“とも呼ばれた南こうせつとかぐや姫の「神田川」は、当時の多くの若者たちの心に響いて思い出の名曲となりました。
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