『幻想飛行』ボストン

BOSTON
TOM SCHOLZ – lead & rythm guitars, base, organ, clavinet & percussion
BRAD DELP – vocals & guitars
BARRY GOUDREAU – lead & rythm guitars
SIB HASHIAN – drums & percussion
FRAN SHEEHAN – bass
『BOSTON』
1. MORE THAN A FEELING
2. PEACE OF MINDE
3. FOREPLAY / LONG TIME
4. ROCK & ROLL BAND
5. SMOKIN’
6. HITCH A RIDE
7. SOMETHING ABOUT YOU
8. LET ME TAKE YOU HOME TONIGHT
爆発する惑星から飛び出してくる、都市を載せたギター型の巨大宇宙船を描いたジャケットは最近のCGを見慣れた眼から見るとさすがにちょっと古臭く思えますが、どこまでも伸びてゆく高音のボーカルとギターが心地良いこのアルバムの内容にぴったりです。
この宇宙船は何年かに一度どこかの惑星に着陸してはまた飛び立つということを繰り返して、いまだに宇宙を飛び続けています。トム・ショルツが安住の地をもとめて自らの音楽世界に満足いくまで彷徨うのでしょうか、世紀を越えて発売された最新作『コーポレイト・アメリカ』では女性クルーを加えたものの、大きく変わろうとしない頑固さには恐れ入ります。
当時西海岸で活躍していたイーグルスやドゥービー・ブラザーズに対抗するように東海岸に颯爽と登場したボストンのファースト・アルバムは気持ちの良い名曲の数々にハイトーンのボーカルとコーラス、美しいギターの音色が見事にマッチして、大ヒットを記録しました。
「モア・ダン・ア・フィーリング」や「フォアプレイ / ロング・タイム」を初めて聴いたときは感動しましたが、楽しみにしていた次作『ドント・ルック・バック』も更に同じ路線を突き詰めるという姿勢は変わらず、安心するやらちょっと拍子抜けするやら。
それでもボストンが好きなのは何十年経った今でも変わりません。ヒゲ面のブラッド・デルプから飛び出してくる美声と、ひたすら理想の音を追求するトム・ショルツの職人技で、曲自体はシンプルでも聴き手を酔わせてくれる。 ボストンの『幻想飛行』は、そんな名盤です。
『SILK DEGREES』BOZ SCAGGS

ジェフ・ポーカロのドラムとボズのボーカルがカッコいい「ロウダウン」、粋なバラード「ハーバーライツ」、雰囲気満点のヒット曲「ウィー・アー・オール・アローン」など、ミスターAOR ボズ・スキャッグスの出世作です。ジャケットも中身もお洒落なこのアルバムを聴くと、ロック好きの学生がちょっと大人になったような気がしました。
『ROCKS』AEROSMITH

ストレートなタイトルからして自信満々。1曲目の緊張感溢れる「バック・イン・ザ・サドル」の尋常じゃないカッコ良さ。フロントマン、スティーブン・タイラーのボーカルなくして成立しない曲だと思います。やっぱりロックバンドには強力なボーカリストが必要ですね。ヘヴィーで切れ味鋭いロックな曲が並んだアルバムです。
『WIRED』JEFF BECK

『ブロウ・バイ・ブロウ』に続くロック・インストゥルメンタル第2弾。このジャケットを見ただけで痺れますが、中身を聴くと更に痺れます。ジェフ・ベックが自由自在、縦横無尽に弾きまくるスリリングなギターが圧巻。ヤン・ハマーやナラダ・マイケル・ウォルデンとの共演で、当時で言うクロスオーバー寄りのサウンドになってきました。
『Frampton Comes Alive!』PETER FRAMPTON

ハンブル・パイからソロになったピーター・フランプトンの2枚組ライブアルバム。12弦ギターとトーキング・モジュレーターが印象的な「ショウ・ミー・ザ・ウェイ」が大好きです。この甘いマスクと少しハスキーな声がいいですね。ライブアルバムとしては異例の大ヒットで彼の代表作となりました。レス・ポール・カスタム、愛称 “Phenix”もカッコいいです。
『Hotel California』EAGLES

ロックの時代に陰りが見えた頃に登場した哀愁漂うイーグルスの代表作。「ホテル・カリフォルニア」のイントロが流れてきただけでジ~ンとなります。他にも「ニュー・キッド・イン・タウン」「ウェイステッド・タイム」など名曲揃い。ドン・ヘンリーとグレン・フライというタイプの違う2枚看板のボーカル、綺麗なコーラスに個性の際立つジョー・ウォルシュも加わって言う事ありません。
『PRESENCE』LED ZEPPELIN

いきなり怒涛の勢いで展開する「アキレス最後の戦い」は、10分を超える大作です。ジミー・ペイジの多彩で印象的なギター、ジョン・ボーナムのヘヴィーなドラム、ジョン・ポール・ジョーンズのベキベキ鳴るベース、バックの演奏に乗って漂うようなロバート・プラントのボーカルなどすべてが素晴らしい。『プレゼンス』はこの曲に尽きますね。
『DESTROYER』KISS

ロックショーなら地獄の軍団、この男たちの出番です。サービス精神満点なキッスの派手なパフォーマンスは、ロックキッズを熱狂させました。「デトロイト・ロック・シティ」などキャッチーでノリの良い、シンプルなロックンロールで突っ走るヒットアルバム。見た目だけではなく、しっかりと実力もあるバンドでした。
『Certified Live』DAVE MASON

デイヴ・メイソンの味のある温和な髭面と、味のある渋いボーカルが大好きです。『ライブ~情念』はソロ活動の集大成のような2枚組ライブアルバムで、オリジナルもカバーも名曲名演満載。「オンリー・ユー・ノウ・アンド・アイ・ノウ」「テイク・イット・トゥ・ザ・リミット」など、仲間と共に楽しそうな充実のライブを繰り広げます。
『Little Queen』HEART

美人姉妹がロックをやる、これが良いんです。アンの強力なボーカルとナンシーのギターが堪能出来るハートのセカンド・アルバム。カッコいいロックナンバー「バラクーダ」がヒットしましたが、彼女たちはアコースティックなナンバーも得意で、このアルバムでも随所でアコースティック・ギターの音を耳にすることが出来ます。
1976年(昭和51年)の日本
主な出来事:アントニオ猪木とモハメド・アリの異種格闘技戦をテレビで観戦したのが76年。ロッキード事件で前総理の田中角栄が逮捕されるという前代未聞のニュースで、初めて新聞の号外を見たのも76年です。この年にはモントリオール五輪でルーマニアの女子体操選手、ナディア・コマネチが初の10点満点を記録。ソ連のミグ25戦闘機が函館空港に強行着陸してパイロットが米国へ亡命を求めるという衝撃的な事件もありました。
テレビ・映画:この年に放送が始まったのは、テレビ界のレジェンド黒柳徹子の「徹子の部屋」、高橋英樹の時代劇「桃太郎侍」など。映画ではマーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロの名コンビによる名作『タクシードライバー』、アル・パチーノとジョン・カザールが銀行に立てこもる『狼たちの午後』、角川映画の傑作『犬神家の一族』、水谷豊が殺人犯を演じる『青春の殺人者』などが公開されました。
ヒット曲:76年にリリースされた曲は荒井由実の「中央フリーウェイ」「翳りゆく部屋」、RCサクセションの「スローバラード」、風の「ささやかなこの人生」、キャンディーズの「春一番」、それから山口百恵の「横須賀ストーリー」など、記憶に残る名曲が一気に増えてきます。個人的には大学に入学して生活環境が大きく変わったことも、その一因だろうと思いますね。
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