『ダウン・トゥー・ゼン・レフト』ボズ・スキャッグス

Boz Scaggs 『Down to then left』
BOZ SCAGGS – guitar & vocals
JAY GRAYDON – guitars
RAY PARKER Jr. – guitars
STEVE LUKATHER – guitars
JEFF PORCARO – drums
SCOTT EDWARDS – bass
DAVID HUNGATE – bass
MICHAEL OMARTIAN – keyboards
1. STILL FALLING FOR YOU
2. HARD TIMES
3. A CLUE
4. WHATCHA GONNA TELL YOUR MAN
5. WE’RE WAITING
6. HOLLYWOOD
7. THEN SHE WALKED AWAY
8. GIMME THE GOODS
9. 1993
10. TOMORROW NEVER CAME
11. TOMORROW NEVER CAME (REPRISE)
学生の頃、このアルバムを小脇に抱えた女の子を教室で見かけたことが何故か強く印象に残っています。CDの時代ではありえない風景で、やはりレコードの時代には特別な思い入れがあります。
大ヒットアルバム「シルク・ディグリーズ」でAORの旗手として人気の出たボズ・スキャッグスですが、本作では前作と同じく後にTOTOを結成することになる腕利きミュージシャンをはじめ、ジェイ・グレイドンやレイ・パーカー・ジュニアといった有名どころをバックに大人の音楽を聴かせてくれます。
シンプルだけれど切れのあるバックの演奏や、雰囲気満点のコーラスにのせてボズも気持ち良さそうに歌っていますが、念願の来日コンサートで聴いた彼の歌声はレコードで聴くよりも艶と伸びがあって力強く、感動しました。
このアルバムからは「ウィー・アー・オール・アローン」のようなヒット曲が出なかった為に少し地味な印象がありますが、前作が成功したことで自信も生まれたのか、余裕が感じられる出来となっています。
2曲目の「ハード・タイムズ」のボーカルの出だしにはゾクッとくるし、ホーンセクションも入ってちょっとハードな8曲目「ギミー・ザ・グッズ」は、福岡で見た来日公演でも演奏してかなり盛り上がりました。
全体を通して洗練された雰囲気を持ったこのアルバムは、静かなバラードからハードなナンバーまで独特な声で歌いこなす、ボーカリストとしてのボズ・スキャッグスの実力を改めて認識させることになった名盤です。
『aja』Steely Dan

日本人モデルの山口小夜子を起用した鮮烈な印象のジャケット。緻密で洗練された音創りにこだわるスティーリー・ダンの代表作です。腕利きの一流ミュージシャンを適材適所に配置して、ジェイ・グレイドンのギター・ソロが有名な「ペグ」などの名曲を生み出しました。この流れはドナルド・フェイゲンの名盤『ナイトフライ』へと続きます。
『RUMOURS』FLEETWOOD MAC

元々はブルース・ロック系のバンドでしたが、ハスキーボイスの妖精スティーヴィー・ニックスとリンジー・バッキンガムの加入でポップに生まれ変わります。声質の違うクリスティーン・マクヴィーというもう一人の女性ボーカルがいたのも大きいですね。「ドリームス」「ユー・メイク・ラヴィング・ファン」などの名曲が生まれて大ヒットしました。
『Out of the Blue』Electric Light Orchestra

ジェフ・リン率いるエレクトリック・ライト・オーケストラの2枚組アルバム。特徴のあるコーラスが気持ち良いポップな内容とマッチしたジャケットアートは、アース・ウインド&ファイアーの『太陽神』なども手掛けた長岡秀星の作品です。次のアルバム『ディスカバリー』は大ヒット、このアルバムと共にELO絶頂期の代表作となりました。
『SLOWHAND』ERIC CLAPTON

『461 OCEAN BOULEVARD』と並ぶ70年代のソロ代表作。タイトルは勿論、ストラトキャスターが似合うエリック・クラプトンのニックネームです。ルーズなノリが心地良くてカッコいい「コカイン」や、「いとしのレイラ」の後日談とも言えるラヴ・バラード「ワンダフル・トゥナイト」などのヒット曲がこのアルバムから生まれました。
『RUNNING ON EMPTY』JACKSON BROWNE

タイトル曲「孤独なランナー」を聴くと、なんだか元気になってきます。映画『フォレスト・ガンプ』の挿入歌に使われてましたね。あちこちのライブを録音したのだそうで、物静かでナイーブそうなジャクソン・ブラウンも仲間とライブをやると元気になりそう。バンドでやっている、という感じがするラストの「ステイ」もいい感じです。
『THE STRANGER』BILLY JOEL

苦労人ビリー・ジョエルがようやく大ブレイクを果たした『ストレンジャー』。モノクロのジャケットで仮面を見つめる姿が彼の内面を物語っているようです。タイトル曲はラジカセのテレビCMに使われて日本で大ヒット。「ムーヴィン・アウト」「素顔のままで」など、優れたシンガー・ソングライターであることを証明しました。
『THE LAST WALTZ』THE BAND

ザ・バンドのラストコンサートには彼らと関わりの深いボブ・ディランを始め、エリック・クラプトン、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェルらの大物が集結しました。その模様はストーンズの『シャイン・ア・ライト』も監督したマーティン・スコセッシによって映像化されています。「ウェイト」は何回聴いてもいい曲ですね。
『In Color』Cheap Trick

濃いブルーを背景にバイクにまたがったチープトリックのハンサム・ツートップ。このジャケットに『蒼ざめたハイウェイ』という邦題を付けるとは、当時のレコード会社の思い切りの良さとセンスに感服。4曲目の「甘い罠」は、甘く切ない素晴らしいポップナンバーで、どことなくビートルズの影響を受けているような気がします。ちなみにジャケット裏側の写真は表と対を成すオチがあって笑えます。
『On Stage』Rainbow

ディープ・パープルを脱退したリッチー・ブラックモアが、ロニー・ジェイムス・ディオとコージー・パウエルという強力なボーカリストとドラマーを引き連れて行ったライブの模様を収録。1曲目の「キル・ザ・キング」からパワー全開で、学生時代に大阪で見たライブの盛り上がり方は凄かったです。唯一残念なのはジャケットで、もう少し何とかならんかと思うんですが。
1977年(昭和52年)の日本
主な出来事:王貞治が756号ホームランを打って世界記録を達成、樋口久子が全米女子プロゴルフ選手権で優勝と、スポーツ界で明るいニュースがありました。一方で日本赤軍による日航機ハイジャック事件が発生、政府は服役中の過激派を要求通り釈放するという処置を取りました。東京と大阪では青酸入りのコーラによる無差別殺人事件が起こり、その後時効が成立しています。
テレビ・映画:テレビではスケールの大きなクイズ番組「史上最大!第1回アメリカ横断ウルトラクイズ」放送。映画はボクシング映画の傑作『ロッキー』が大ヒット。一緒に観に行った友人はラストで泣いてました。ショーン・コネリー、ジェームズ・カーンらスター俳優が大集合した戦争映画『遠すぎた橋』、邦画でも高倉健、北大路欣也などスターが多数出演した『八甲田山』がヒット。松田優作主演の『人間の証明』はジョー山中が歌った主題歌も印象的でした。
ヒット曲:沢田研二が「勝手にしやがれ」で相変わらず絶好調。ピンク・レディーの「渚のシンドバッド」、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」、中島みゆきの「わかれうた」、吉田拓郎が作曲したキャンディーズの「やさしい悪魔」など、バラエティに富んだ様々なヒット曲が生まれました。
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