TOTO『TOTO』

TOTO『TOTO』
STEVE LUKATHER – guitars & vocals
DAVID PAICH – keyboards & vocals
DAVID HUNGATE – bass
BOBBY KIMBALL – vocals
STEVE PORCARO – keyboards & vocals
JEFFREY PORCARO – drums, percussion
1. CHILD’S ANTHEM
2. I’LL SUPPLY THE LOVE
3. GEORGY PORGY
4. MANUELA RUN
5. YOU ARE THE FLOWER
6. GIRL GOODBYE
7. TAKIN’ IT BACK
8. ROCKMAKER
9. HOLD THE LINE
10. ANGELA
ボズ・スキャッグスのアルバムに参加したことがきっかけで結成されたバンド「TOTO」。腕利きスタジオ・ミュージシャン達の爽快なデビュー・アルバムです。
歯切れのいいリズムギターとハイトーンのボーカルがいきなり気持ちいい「アイル・サプライ・ザ・ラブ」、小気味良いポップなロックン・ロールの「マニュエラ・ラン」や「ロック・メイカー」、ハードな「ガール・グッドバイ」にシングルも大ヒットした「ホールド・ザ・ライン」と、他にも名曲揃いの名盤です。
ほとんどの曲を作曲したキーボードのデビッド・ペイチの能力によるところも大きいと思いますが、数々のミュージシャンのアルバムで腕を磨いてきた彼らの才能が一気に開花したというところでしょうか。
彼らは80年代に入ってから4枚目のアルバムでグラミー賞を受賞しますが、今でも一番気に入っているのはこのアルバムです。「ロザンナ」や「アフリカ」も確かにいい曲でしたが、衝撃的なデビューを飾ったこのファースト・アルバムほどのインパクトはありません。
切れのいいリズムギターとうねるソロを弾きまくるスティーブ・ルカサーや、気持ちのいいスネアの音を響かせるジェフ・ポーカロのドラムスはこの1枚で充分に堪能できます。
虚空に剣が光るジャケットは邦盤のタイトルと共に印象に残りますが、同時期にデビューしたボストンも同じようなイメージがあるのは、どちらもどこまでも高く舞い上がるハイトーンのボーカルとギターのサウンドがあるからでしょう。良い曲と確かなテクニックの両方が楽しめる、スカッとしたアメリカン・ロックのひとつの頂点がここにあります。
『Don’t Look Back』BOSTON

爆発する惑星から飛び立った宇宙船が探索するのは、クリスタルの惑星か。デビューアルバムの緻密な音創りを更に極めてタイトル曲もヒットしました。歪みすぎない絶妙なギターサウンドと、ハイトーンのボーカルとコーラスは相変わらず気持ち良いです。故ブラッド・デルプのバラード「ア・マン・アイル・ネヴァー・ビー」もいいですね。
『VAN HALEN』VAN HALEN

ハードロックの時代が終わりに近づいてきた頃に登場したヴァン・ヘイレンのデビューアルバム『炎の導火線』。70年代最後のギターヒーロー、エディのトリッキーなギターとフロントマン、デヴィッド・リー・ロスのボーカル、マイケル・アンソニーのハイトーン・コーラス。ヒットした「ユー・リアリー・ガット・ミー」でエディが繰り出すイントロのカッコ良さに痺れましたね。
『MINUTE BY MINUTE』THE DOOBIE BROTHERS

看板のトム・ジョンストンが抜けてスティーリー・ダンで活動していたキーボード・ボーカルのマイケル・マクドナルドが加入。豪快なイメージから洗練されたソフトなイメージへと雰囲気が変わって、ついでにグラミー賞まで受賞しました。都会の香りがするタイトル曲の他「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」など収録。
『BUT SERIOUSLY FOLKS』JOE WALSH

ジェイムズ・ギャングを経てイーグルスに加入したジョー・ウォルシュのソロアルバム。邦題は『ロスからの蒼い風』で、当時のウエストコースト・ブームもあってのタイトルか。ラストの「この人生に賭けて(Life’s Been Good)」で、エレキからアコースティックへと流れるイントロのギターが、ルーズなリズムといい音色といい最高です。
『Infinity』JOURNEY

17歳のときにサンタナでデビューしたギタリスト、ニール・ショーンのジャーニーにボーカルのスティーブ・ペリーが加入して、ヒット作を連発するようになります。インパクトのあるジャケットも勢いを象徴するようでいいですね。ヒットした「ホイール・イン・ザ・スカイ」は、リフがカッコいいジャーニーらしい曲です。
『BOBBY CALDWELL』BOBBY CALDWELL

アレンジが心地良いAORの名盤。邦題は『イヴニング・スキャンダル』ですがジャケットを見て何となく納得。都会的で洗練された楽曲の数々で、聴くだけで自分がお洒落になったような気がするアルバムです。ボビー・コールドウェルがソフト過ぎない独特な声で歌う「風のシルエット」を始め、気分の良い時間を過ごせます。
『LIVE AND DANGEROUS』THIN LIZZY

ライブアルバム史上屈指のカッコ良さを誇るジャケット。中身を聴く前から気分が盛り上がります。アイルランドのロックヒーロー、フィル・ライノット率いるシン・リジィの熱気あふれるライブを収録した2枚組は名盤の誉れも高く、臨場感も味わえる作品です。フィルの語りかけるような独特のボーカルとツインギターがいいですね。ちなみに”ライノット”より”リノット”のほうが馴染みがあるのは年齢のせいか。
『TOKYO TAPES』SCORPIONS

スコーピオンズの日本公演を収録した2枚組ライブアルバム。“ギター仙人” ウルリッヒ・ロートとシェンカー兄弟の兄、ルドルフ・シェンカーのツインギター、クラウス・マイネの硬質で存在感抜群のボーカル、どれを取ってもカッコいいです。ジャケットに『東京テープ』と入っているのは、日本への敬意と親しみを込めたものと理解しておきましょう。邦題は激しく『蠍団爆発!!』です。
『Outlandos d’Amour』THE POLICE

若かりし頃の3人、揃いも揃って男前です。ポリス衝撃のデビュー作は、最小編成のバンドらしいシンプルでソリッドな音に、スティングの少し甲高い乾いた声がマッチして独特の魅力がありました。寂寥感のある「ロクサーヌ」は彼らにしか出来ない曲で、音で隙間を埋め尽くさないというのも、またカッコいいものですね。
1978年(昭和53年)の日本
主な出来事:東京池袋に当時アジアで一番高かった高層ビル「サンシャイン60」が登場。新東京国際空港(現成田国際空港)が開港。悲しい出来事としては札幌で行われたレインボーのライブで、観客が将棋倒しになって女子大生が死亡するという事故が発生。大阪でのライブを見に行ったのですが、こんな事があったとは当時は知りませんでした。
テレビ・映画:久米宏と黒柳徹子の「ザ・ベストテン」が始まって大人気。大規模なチャリティー番組という企画が新しかった、日テレの24時間テレビ「愛は地球を救う」放送開始。映画では高倉健と薬師丸ひろ子が共演した角川映画『野生の証明』が大ヒット。『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』というSF映画の傑作が続けて公開されて興奮しました。ジョン・トラボルタ主演の『サタデー・ナイト・フィーバー』はビー・ジーズの主題歌が印象的でした。ザ・バンドの解散ライブの模様を撮ったドキュメンタリー『ラスト・ワルツ』も78年公開です。
ヒット曲:サザンオールスターズが「勝手にシンドバッド」でデビュー。当時は国民的バンドになるとは予想もしませんでした。この年に解散したキャンディーズの『微笑がえし』は阿木燿子の歌詞が良かったですね。ピンク・レディーは「UFO」がヒットして人気絶頂でしたが、激しく短く燃えたという感じです。ソロになった矢沢永吉は「時間よ止まれ」が資生堂のCMソングに起用されて大ヒット。より幅広い層に支持されるようになりました。
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