1979年の洋楽ロック 名盤10枚

『コーナーストーン』スティクス

※このブログはAmazonアソシエイトプログラムを利用しています。

STYX
DENIS DE YOUNG – vocals & keyboards
JAMES YOUNG – guitars & vocals
TOMMY SHAW – guitars & vocals
JOHN PANOZZO – drums
CHUCK PANOZZO – bass
JEFFREY PORCARO – drums, percussion

CORNERSTONE
1. LIGHTS
2. WHY ME
3. BABE
4. NEVER SAY NEVER
5. BOAT ON THE RIVER
6. BORROWED TIME
7. FIRST TIME
8. EDDIE
9. LOVE IN THE MIDNIGHT

土の中に埋もれた不思議な板を男が懐中電灯で照らしているジャケットが印象的な『コーナーストーン』は、大ヒット曲「ベイブ」を含む佳曲ぞろいのポップな名盤です。

ジャケットの裏側では、建物の中に展示されたその不思議な板を裸の男の子が見つめているところが描かれていて両面とも想像力をかきたててくれますが、名盤は名ジャケットという法則はここでも成立しています。

ポップな曲とハードな曲を交互に並べたこのアルバムは、全篇を通してフレッシュなボーカルとコーラスを楽しむことができます。デニス・デ・ヤングのちょっと癖のある声は一度聴いたら忘れることができません。バックのコーラスも透き通るような高音ではありませんが、気持ち良さそうに歌っています。

ベイビー・フェイスの男前、トミー・ショウがバンドに加入した頃からポップで緻密な音作りが多くのファンに受け入れられたようで、叙情的なバラードからハードなロックン・ロールまで、多彩な曲作りの能力を持った彼らの音楽性がこのアルバムで一気に頂点に向かいます。

「ベイブ」がなければシングル・カットされたであろうバラード「ファースト・タイム」や、ハードで歯切れのいいロックン・ロール「ボロウド・タイム」、日本人好みの哀愁をおびたナンバー「ボート・オン・ザ・リバー」など、どれをとっても懐かしい曲ばかりで忘れることができません。

60年代のビートルズのように全曲シングル・カット出来そうなアルバムを聴くと、懐かしくも嬉しくなってしまいます。

Styx – Babe (Official Video)

『Discovery』ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA

ポップスの玉手箱のような名曲満載の名盤で、ジェフ・リン率いるE.L.O.の快進撃が続きます。アラビアンナイトを連想させる幻想的なジャケットも印象的。「ロンドン行き最終列車」「ドント・ブリング・ミー・ダウン」など、次はどんな曲が出てくるのか最後まで楽しみなアルバムです。

『BREAKFAST IN AMERICA』SUPER TRUMP

飛行機の窓から見たマンハッタンを模した背景と、自由の女神の代わりにニッコリ笑う陽気なウェイトレスのおばちゃん。ユーモア溢れるジャケットが印象的です。ポップで明るいジャケットとは裏腹に、ヒットしたタイトル曲や「ロジカル・ソング」は切ないメロディーでした。少し線の細い頼りなげなボーカルが、これらの曲にぴったりフィットしています。

『Hydra』TOTO

衝撃のデビューを果たしたTOTOのセカンド・アルバム。突き刺さった剣を見つめる男は一瞬リッチー・ブラックモアかと思いました。映画のオープニングのようなタイトル曲から、ジャケットのシーンを想像させる「セント・ジョージ・アンド・ザ・ドラゴン」、ヒットした「99」へ。後半はハードな「ホワイト・シスター」がカッコいいです。

『Black Rose』THIN LIZZY

タイトルもジャケットもインパクトのあるシン・リジィ70年代最後の名盤。スコット・ゴーハムとゲイリー・ムーアのツイン・リードギターが最高にカッコいい4曲目の「アリバイ(Waiting for An Alibi)」がオススメです。フィル・ライノットのぶっきらぼうなボーカルは相変わらずで、黙って聴け!と言わんばかりの存在感があります。

『THE LONG RUN』EAGLES

大ヒットした『ホテル・カリフォルニア』に続くアルバムで、イーグルス再結成前最後の作品になりました。ベースのランディ・マイズナーの代わりに加入したティモシー・シュミットがボーカルを取った「言い出せなくて」や「サッド・カフェ」など寂しげな曲の印象が強いからか、なんとなくバンドの終焉が近づいているような雰囲気が。

『In Through the Out Door』LED ZEPPELIN

これもヒプノシスによるジャケット。中身にクエスチョンマークが付きそうな予感が当たったファンが多かったのかもしれません。それでも1曲目の「イン・ジ・イヴニング 」はカッコ良かった。多彩な内容は賛否両論でしたが、ツェッペリンの実質的ラストアルバムと思えば、それだけで価値があります。

『Reggatta de Blanc』THE POLICE

相変わらず削いだような3人の容貌がいいですね。インパクトのあるデビュー作に続くポリスのセカンド・アルバム。3人揃うだけでサマになります。「孤独のメッセージ」の急き立てられるような感じのカッコ良さは、アンディ・サマーズのソリッドなギターとスチュワート・コープランドの速いリズムの独特なドラム、スティングのどこか悲しげなボーカルのせいでしょうか。

『THE WALL』PINK FLOYD

『ミッドナイト・エクスプレス』のアラン・パーカーによって映画化もされたピンク・フロイドの2枚組コンセプトアルバム。ちなみに主演はチャリティー活動で有名になるボブ・ゲルドフでした。ドラマチックなオープニングの「イン・ザ・フレッシュ」や、どこか不穏な雰囲気の「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール」で彼らの世界に浸って楽しみましょう。

『HIGHWAY TO HELL』AC/DC

悪魔の如くツノと尻尾を生やした男は、小柄ながらも開き直ってランドセルと半ズボンでギブソンSGを弾きまくるアンガス・ヤングです。昔のロッカーらしく、飲んだくれて死んでしまったボーカリストのボン・スコット在籍時最後の作品。タイトル曲はいかにもAC/DCらしいロックンロールで、少し隙間のあるハードでキャッチーな音がいいですね。

1979年(昭和54年)の日本

主な出来事:大阪の三菱銀行北畠支店に猟銃を持った男が人質を取って立てこもり、犯人を含む5人が死亡するという衝撃的な事件が起こりました。事件を題材にした『TATTOO<刺青>あり』という映画が宇崎竜童主演で後に公開されています。また、東名高速の日本坂トンネルで衝突事故による火災が発生し、多くの死傷者が出るという痛ましい事故もありました。

テレビ・映画:アニメ「機動戦士ガンダム」、ドラマ「3年B組金八先生」放送開始。サーフィンを題材にした青春映画『ビッグ・ウェンズデー』、犯人役の緒形拳が強烈だった『復讐するは我にあり』、リドリー・スコットのSFホラー『エイリアン』、松田優作のアクション『蘇える金狼』、沢田研二と菅原文太が共演した傑作『太陽を盗んだ男』、半村良原作の角川映画『戦国自衛隊』などが公開されました。

ヒット曲:ジュディ・オングの「魅せられて」が貫禄の大ヒット。サザンオールスターズはドラマ「ふぞろいの林檎たち」の主題歌「いとしのエリー」が、後世に残る名曲となりました。チューリップの「虹とスニーカーの頃」、世良公則ツイストの「燃えろいい女」、布施明の「君は薔薇より美しい」、それから西城秀樹の「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」や松坂慶子『愛の水中花』など、70年代最後の年にも記憶に残る曲がたくさん生まれています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました